導入自治体の声

熊本県山鹿市

オフトーク通信代替から地域の共通言語となる
総合的なコミュニケーションツールへ

  • オフトーク通信
  • 地域情報
  • 行政区活用
  • 地域団体活用
熊本県山鹿市灯籠まつり
防災アプリ 導入目的
導入目的
  • 目的1

    合併前の旧市町村単位で異なる情報手段を利用していた状況から
    全地区共通サービスへの統一

  • 目的2

    旧3町で利用されていて利用者の多かったオフトーク通信からの代替にあたり、
    同等もしくはそれ以上の機能開発

防災アプリ 導入後の効果
導入後の効果
  • 効果1

    各行政区単位での連絡網活用による利用の広がりを実感

  • 効果2

    平時からのアプリ活用によるデジタルデバイドの解消

オフトーク通信の代替ツールとして、
アプリ施策を検討のうえ、やまがメイト開発を決断

やまがメイト導入の背景

山鹿市は、平成17年1月、1市4町(山鹿市、鹿本町、鹿北町、菊鹿町、鹿央町)が合併し誕生しました。

このうち3町(鹿北町、菊鹿町、鹿央町)では、老朽化した有線放送の代替として、平成の初期に、NTTの固定電話回線の「通話に使用しない時間」を利用した、地域情報の放送サービスである「オフトーク通信」を導入していました。

この「オフトーク通信」は、市民センター(旧町役場に設置)からの一日3回、朝昼夜の定時放送や緊急放送のほか、区の代表者から区民への連絡網としても活用していたのですが、平成27年2月末(本市では平成29年3月末まで延長利用)にサービスを終了するということで代替手段を検討する必要が生じました。

利用地区等から「オフトーク通信」と同等以上の新たなサービスの導入を強く求められたことから、代替サービスとして平成27年に導入し、同年12月から本格運用を開始しました。

当時は、簡単に音声や文字を配信できるアプリケーションがなかったことから、株式会社J-WAVE i社とともにシステム仕様の検討を何度も重ね、構築に至りました。

現在では、音声や文字を使った地域コミュニケーションツールとしての利用促進にあわせて、防災ツールとしても活用できることを紹介しながら、市内全域における利活用の推進に取り組んでいます。

やまがメイト スマートフォン画面
やまがメイト スマートフォン画面
やまがメイト タブレット画面
やまがメイト タブレット画面

導入してからの地域の変化

区単位のやまがメイトを介した連絡網が構築され、地域によっては、機器やアプリの使い方等を通して、若い世代と高齢の方との交流が生まれました。

これまでスマートフォンを利用したことがなかった方もやまがメイトを機に使い始められたことにより、情報リテラシーの向上にもつながっていると思います。

先にもお話ししましたが、当初は地域コミュニケーションアプリとして導入しましたが、現在では、防災ツールとしても有効なアイテムとなっています。

防災行政無線が聞こえづらい、何が鳴っているんだろう?ということで登録する方も多いと思います。
実際に雨が多い時期や、梅雨の時期には登録件数が多くなる傾向があります。

やまがメイトを介した連絡網
やまがメイトを介した連絡網

現在の定着状況

区内での連絡網としての活用、任意団体等による情報発信など、市からのお知らせを取得するだけではなく、グループ内での利活用も盛んになってきています。

最近では、市が所管している各種団体や保育園での連絡網としての活用も進み、若い世代から年齢が高い世代まで幅広い世代で利用されており、登録件数も市内外で約19,000件(全人口約50,000人)を超えていることから、定着が進んでいると感じています。

地域定着までのエピソード

各行政区などにはアプリケーションのしくみや利活用説明会を実施してきましたが、正直、サービス開始当時は、まだスマートフォン普及への過渡期で理解を得ることが難しかったです。

スマートフォン契約の費用面を気にされる方や登録への抵抗感を持つ方も当時は多くいらっしゃったかと思います。

そのような状況から始まったわけですが、「行政区内での連絡網」としての利用を促し、現在までに必要に応じて登録会や操作説明を繰り返し実施してきたことで、区によっては、なくてはならないものとなっているようです。

住民の声で印象的だったこと

区内で連絡網として利用されている区長さんからは、どこにいても区民に対して連絡ができると喜んでいただています。

また、内容という面では各地区の市民センターが発信する「お悔やみ情報」を取得できることが、特にありがたいとのお声をいただいています。

一方では、まだまだスマートフォンなどの通信機器の利用に消極的な方もおられ、中には登録していても、情報量が多く、うるさくて登録をやめたという方もおられます。
運用については、日々検討が必要であると実感しています。

現在のやまがメイト課題

今お話ししたこともそうですが、アプリが普及して多くの市民の間に利用が広まるのに伴って、その分、アプリの機能改善についての問い合わせも増えてきています。

「こう出来たらもっと利便性があがる」など活用をされている中で上がってくる住民の声を吸い上げながら、適宜、機能改善すべきかどうか選定をし、運用していく必要があると感じています。

全国の自治体へのメッセージ

アプリ施策を実施する上では“導入してから”の地区やグループ単位への説明会などはとても重要だと考えています。

当市では旧オフトーク通信の利用地域には区ごとに説明会を開催しましたが、これが普及に大きくつながった点と認識しています。

まずは、住民に「行政が運営するアプリ」を知ってもらうこと、その上で使いたいと思っていただけるように、適切な情報配信とともに、わかりやすく使いやすいアイテムにしていくことが大事なのではないかと思います。

特にこのやまがメイトは地域内の連絡網として、音声や文字を使って情報の共有を行うことができます。
日ごろ、平時から当たり前のように活用していただくことで、いざ災害などが起こったときに、自助、共助で活用できるツールに育っていくと思っています。

総務部 情報政策推進課 宮口賢治様
総務部 情報政策推進課 宮口賢治様
登録件数 市内外で約19,000件
登録件数 市内外で約19,000件

山鹿市の魅力のご紹介

山鹿市は、平成17年1月に山鹿市・鹿北町・菊鹿町・鹿本町・鹿央町が合併して誕生しました。
豊かな自然環境があること、そして、良質な温泉、加えて古代から近代に至る歴史や文化遺産、伝統工芸や芸能にも特色をもっています。
さらに豊富な農林産物なども当市の自慢です。

温泉は長い歴史を持っています。
山鹿温泉、熊入温泉、平山温泉、菊鹿温泉、鹿本温泉と5つの温泉があり、それぞれ良質で肌ざわりがやわらかいので美人の湯ともいわれています。

山鹿温泉「さくら湯」
山鹿温泉「さくら湯」
豊前街道 あし湯
豊前街道 あし湯

歴史、文化面では国が指定する重要文化財になっている芝居小屋「八千代座」は、古き良き時代の面影を今も伝えていて、さくら湯と並ぶ中心市街地の2大シンボルです。

また、和紙だけで作られる「山鹿灯籠」という伝統工芸があり、平成25年12月に伝統的工芸品として国の指定を受けています。

毎年、8月15日16日に開催される山鹿灯籠まつりでは、奉納灯籠や金灯籠を頭に掲げた女性たちが優雅に舞い踊る「千人灯籠踊り」があって、幾重にも重なる灯りの輪が、見る人を幻想的な世界へと誘います。

芝居小屋「八千代座」
芝居小屋「八千代座」
奉納灯籠踊り
奉納灯籠踊り

そのほかにもたくさんの国指定の史跡(しせき)や豊かな自然があります。

菊池川流域の肥沃(ひよく)な土地で採れる良質な米をはじめ、様々な農産物が収穫されて、物産館などで販売しています。

交通面では、九州自動車道菊水ICや植木ICから約20分と近く、九州新幹線新玉名駅の開業で交通の利便性も高まりました。
ぜひ多くの方に、お越しいただきたいと思います。

山鹿探訪:山鹿の夏は、それでも躍る。
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